(2) 私の紙漉き

     私の紙漉きは大別して、通常のパルプ繊維と草花の植物繊維に分かれる。

    両者はパルプの取り方に根本的な違いはあるが、後の工程は大差がない。

    作品の厚さ、薄さ、あるいは形状により漉くパルプ量を多くしたり少なくしたりする。

    あるいは脱水工程を途中で止め含水のまま折り目を入れたり、乾燥工程を他の方法に置き換

    える。乾燥は通常、天日やアイロンによる日光か熱乾燥であるが、微妙な凹凸や複雑な折れ

    線、屈折線が必要な場合は吸水性の良い不織布で覆いゆっくり吸水乾燥を行う。こうする事

    で母型に忠実な凹凸や複雑な折れ線、屈曲線を反映しながら乾燥していく。私の紙漉きの特

    徴は吸水乾燥にある。

     これらをまとめると以下のようになる。

   

  A)牛乳パックパルプによる紙漉き

   1)紙漉き時に工夫する

    (1)基本紙漉き 紙間挿入しない 紙漉き終了後、脱水乾燥(パルプ量少ない)

                     脱水を完全に行わない。未完の状態で折り曲げを

                     して形を整える(パルプ量多い)

             紙間挿入をする 紙漉き終了後、脱水乾燥(パルプ量少ない)    

    (2)押し型成型(乾燥前の泥状パルプ)

             平面作品(比較的平面な面上で乾燥する)―パルプ量少ない

             立体作品(凹凸の激しい面上で乾燥する)―パルプ量多い

   2)完成時に工夫する

    (1)白ろうを溶かし、この中に成型した作品を浸漬させ型を堅牢にする。

    (2)扇子、屏風等は台紙に貼って作品をつくる。またティッシュペーパーケースの

       ように折り目を入れて組み立てる。

  B)牛乳パック以外のパルプ(植物繊維)による紙漉き

     植物繊維は大きく分け、道端の自然植物と台所の野菜くずに分けられる。

     自然植物と野菜くずは<草花紙>と呼び、平成4年「再資源化アイディアコンクール」

     に応募し<野菜くずの意外性のある利用法として評価>されクリーンジャパン会長賞

     を獲得しました。そのため制作および作品がすでに公表されていますので、ここでは

     簡単に記載いたします。 

       自然植物―ヒメジョオン、セイタカアワダチソウ、クズ、枝豆、ヨモギ等々

       台所の野菜くず―玉ねぎ・にんじん・ごぼう・大根・ブロッコリー等々  

   1)パルプ(繊維)の取り方

      自然植物、台所の野菜くずは採集後粉砕して裁断する。それらを苛性ソーダ(約5%)

      に浸漬させ、沸騰(30分以上)する。その後ろ過水洗いで苛性ソーダを洗い落とし

      繊維を家庭用漂白剤に浸漬させ、水道水で数回洗浄する。

   2)紙漉き

      紙漉きは牛乳パックと同じである。ただ植物繊維は粗く、繊維筋が立っているもの

      もあり、牛乳パックパルプに比較して漉きにくい。繊維にとっては植物繊維の特性

      を損なわない程度に牛乳パックパルプを数%加える場合もある。

      立体作品を作る場合は、表面を柔軟にするコンニャクの粉とか柿渋等を漉いた紙の

      表面に塗ると柔らかくなり堅牢になる。   

            

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