*** 温故知新(濡れ落ち葉になった碁打ち達)***

                                             2007年11月3日
                                 仙台   川原 富

 毎年開かれている“昭九会”の総会が今年は那須塩原温泉から日光の研修まで、34日の日程で行われました。この総会の特徴は当初から“碁放談の爽快”にすべく放口を可能な限り夫婦の二口としたことで、もう15回目と続いて居るユニークな碁打ち達の会なのです。

然しこの会も高齢化には勝てず存続が危惧された時期もありましたが、妙手の連発によって小川さん、塩沢さん、大野さん達棋界の若手が入会した事によって以前にも増して活性化されています。

その一例に近年の総会では、主客転倒して集合場所である駅前から大奥達の「わーお久しぶりーー元気?」と高いトーンが総会開催の合図となっています。

 まあとも角、今年の総会からそのあたりを、かいつまんで紹介しましょう。

「参加者」

 北は北海道、南は九州から大奥と女流棋士を交えて20人程でしたが、“日本を代表する”画家・パイロット・会社社長等、私が御幼少の頃から夢見てるDNA を持った多士多彩の“昔殿様今落ち葉”の方々です(元カンリョウはワケ有りで不参加)。また残念ながらシングル参加となった御仁も居て横目にシャッターを切る有様です。

   

「議題」

これは何時も、大体次の様なものが討議されています。

1)新入会希望者:9年生まれを“前後”と読み替えた事(要するに誰でも良い?)により枠組を大幅に緩和されましたが、厳正抽選の場合があるかも知れません。

2)次回の総会日と場所:数回外国で開かれた事もあります。

3)会報である文集の発行:何時になっても碁が上達しない・・悩みから苦あれば楽有り・・の人生相談まで会員で共有しようーーとの趣旨で始めたものが、かれこれ第10版近くなっています。

4)         その他:となりますが、このあたりに個別の資料が配られるのは何時ものパターンで、会場が騒然となります。

今回は“ハワイやカーネギホールで演奏した”とかの碁八段音楽家センセイのウクレレ伴奏で、配布された資料にある「銀座かんかん娘」「青い山脈」を正調昭和節での合唱です。

大奥達は面白がって囀ってる様ですが、どうも昔殿は顔面が引きつって声が出ません。譜の終わりに近ずきホッとした途端「ハイ!もう一度」です。

碁を打つならとも角、足は腫れ目はかすみ血を吐く思いの難行苦行を強いられて居る塩原の宿も、夜の帳は深深と更けて行きます。

「研修旅行」

棒腹絶倒を経てすっかり脇役に押しやられた碁会ですが、何とか飲料水付きの堀炬燵対局で遥か昔の郷愁を呼び起こしながら、何時もの様に納まる所に納まり、もう少し勉強をーーと碁けい紙を渡されて終ります。

今度は一転、趣を変えて歴史の日光・自然の奥日光と正しく“心禅”の修業です。石段は蟹歩きでも神仏には何がしかの賽銭で短き残りの人生を依頼している様でした。

それにしても案内役の佐々木会長の博識による説明にはただただ恐れ入るのみで、今年の総会は幕を閉じました。

そう・・濡れ落ち葉で結構!足に絡まり手を引かれても来年も又元気に騒ぎましょう。

 

「盤外記」

東北・北海道親善棋戦を来年5月に、今度は岩手つなぎ温泉で開催する企画を盛岡の古沢さんが練っています。

以前から北国の碁会は囲碁大会と親睦・観光の二面性を柱に実施されていますが、今度の場合観光の一つに是非観てもらいたいーーとして岩手山麓の雪を高さ数メートルに削った雪の回廊の散歩を考えているです。
近じか広告されると思いますがどうぞ期待してカレンダーに印してください。