PACIFIC VENUS号の船旅で
囲碁を楽しむ
                             PART 3                  塩沢 美義

          
      
              
                     ベイブリッジをぬけるPACIFIC VENUS


 
  1月27日(金)、船は台湾海峡を一路南下中。本日は曇天ですが、次第に気温が上がってきました。

流石に南国ですね。デッキに出て暖かい空気を、お腹いっぱいに吸い込みました。中国と台湾本島と

の距離は131キロとのこと。船は台湾より40キロのところを航行中とのアナウンスですが、周囲を見渡し

ても、陸地は何も見えませんでした。

  波間には、先ほどからイルカが20頭ほどピョンピョンと、飛び跳ねているのが見えます。乗客の皆さん

が集まってワイワイ、ガヤガヤと見物しているので、残念ながら撮影はできませんでした。

  中国と最も近い島は金門島ですね。福建省のアモイからは僅か数キロ。「ニーハオ! (こんにちは)」と

呼べば、「ニーハオ
!」 と聞こえてきそうな至近距離にあります。1949年に国民党が率いる中華民国政府

が台湾に逃れました。その後、台湾側の最前線である金門島には、1958年8月23日から44日間にわた

って47万発もの砲弾が打ち込まれたそうです。

  これは
「八二三砲撃戦」と呼ばれています。今では、この砲弾の殻が包丁の材料として使われるように

なり、次第に島の特産品として有名になったとか。

  囲碁教室も次第に調子が出てきまして、乗客の皆さんとともに、自分も楽しめるようになりました。船内

での講師の生活は、まず、資料のコピーや教室の事前準備や確認などが第一で、身の回りの整理が終

わると、お客さんとのコミュニケーションに気を配ります。いろいろな催しが毎日のようにありますが、講師

たちは準従業員の扱いですから、あまり出すぎた行動をとらないよう気をつけねばなりません。常に一歩

退いた姿勢で、お客さんからの批判などが起きないような心掛けが必要です。



              
                発展著しいアモイの景観  クリックで拡大表示



  1月28日には、香港沖から海南島付近を航行中です。船内の食事は、朝はバイキングまたは和食で、

お客様がその場で決めることが出来るシステムです。お昼は和食または軽い洋食が多く、そしてディナー

は洋食中心で相当に豪華なものでありました。

  また、10日に一度位はフォーマルな服装での夕食パーティやデッキディナーがあります。調理や食事

の世話は、フィリピンの若手従業員が多く目立ちました。船体やルームクリーニングなども同様なものであり

ました。皆さん、お客さんの機嫌を損なわないよう、充分に配慮されている様子がよく分かりました。今夜も

また、26日に続く島田裕子さんによる懐かしい童謡などのリサイタルがあり、楽しいひとときを過ごしました。
     
  フォーマルな服装とは男性ならダークスーツ、タキシード、ディナースーツに蝶ネクタイであり、女性は

ドレッシーなスーツやカクテルドレスです。因みにインフォーマルな服装は、男性ではスーツにネクタイ。

女性はワンピースやブラウスとスカートなどです。また、一般的にはカジュアルな服装が多いわけですが、

ランニングシャツや短パン、ジーンズ、サンダル履きはダメです。これは国内の一般ホテルでも許されない

服装ですね。

 
階のライティングルームには、図書室や手紙などを書いたりする部屋があって、ここにはEメールが

出来るよう数台のパソコンが用意されています。2泊以上される乗客へのサービスとされ

ていますが、これは有料です。ただし、ホームページの閲覧やWORDやEXCELなどを

行なうことは出来ません。

  利用希望者は乗船後、受付で乗船中専用のメールアドレスを発行してもらいます。

  しかし、実際の送受信は毎日定刻に行なわれるので、自分で「送信」しても相手先には同時に届かな

いのです。暇を見ては囲碁教室や旅行の様子を、める碁会HP担当者におくりました。最初の第一信の

返事がくるまではちょっと不安もあったものです。でも、日本からの受信後は不安もまったく消えてしまい、

送信するのが楽しみになったものです。


   
           

             
船長とダンスの先生方と......10階ディナーデッキにて


  船体が大きいせいか、船酔いは殆んどの人で起きないようです。それでも、万が一の事態に備えて

医務室が完備されており、美容室から理容室が4Fにあるほか、各階に様々な施設が整備されており、

一流ホテルへの宿泊あるいはそれ以上の設備があります。

  5Fにはコンファレンスルームがあって、会議室やVTRデッキが設置され、セルフランドリーもあります。

11Fには、展望浴室やプール、スポーツサウナ、トレーニングルーム、スポーツジムもあり、日頃の運動

不足の解消を助けてくれそうです。またゲームコーナーには、ルーレット、ブラックジャック、スロットマシン

もあるし、カードルームでは将棋、トランプからマージャン、オセロと多種済済の遊びもできますから、まず

退屈する暇は無さそうです。


     

                    
熱心に対局する囲碁教室の参加者
         

       
セルフランドリー    カードルーム    スポーツジム     展望浴室   

                    
 1月29日の昼過ぎ、いよいよ目的地の一つベトナムのダナン寄港です。接岸は13時40分から15時

30分、観光のお客さんは続々と入国を始めました。私たちはと言えば、「鳥インフルエンザに関する諸

注意が、WHOからの指示として出された」との理由で、船内のドクターからストップされたため、この日

の入国はしませんでした。

  ちょうどそんなとき、本日で業務の終了する島田裕子さんが下船の挨拶で囲碁教室に現れ、私たちと

写真に収まったというわけです。(写真=PART2)

  すでに自宅への土産のチョコレートなどは、船内の売店から発送の手配を終わりました。明日は1日、

ダナンの観光を家内と楽しむ予定です。(つづく)