団地集会所でにぎ愛寄席 賑々しく開催される
    
                             主催 : 鎌ケ谷コーポラス「おしゃべり会」
                   後援 : NPO 法人 鎌ケ谷 にぎ愛広場

                     編集 : ライター千遥


           

         
 団地の集会所も 当日は即席の寄席に様変わり


     
 去る3月14日の土曜日、東部小学校に隣接する団地・わが「鎌ケ谷コーポラス」において、
にぎ愛寄席(にぎあいよせ)なるのが行われた。主催は、2年ほど前に誕生した団地有志のサークル「おしゃべり会」である。おっちゃんは、当団地に31年間に亘って住みついている主で、つい10年前までは毎日都内に通勤する「千葉都民」であった。
 お喋りのヘタな昔のサラリーマンも、おばちゃんたちと、毎月1回は「おしゃべり会」に参加している。

 「おしゃべり会」そのものは毎月土曜日に開催し、会員同士の日頃の健康管理や最近の出来事などを話し合い、胸のうちをさらけ出すことで相互に親密な交流を図っている。人は一人では生きられない。誰かとの触れ合いを保つ中で、元気に過ごすことが出来る、と言われている。会設立の目的は、高齢化する団地住民の方々が伴侶を亡くして孤独になったり、毎日介護に尽くす方々の手助けもしていきたい。そんな思いがある。
 いつも忙しい方も、ときには同世代の人たちとお互いに話し合って、不安な気持ちを少しでもなくす手助けををしていこうとするものである。そんな気持ちで手を差し伸べようにも、日頃接触のない方などは、外へ踏み出す第一歩がなかなか出来にくいようでもある。

 それで思いついたのが過日、市内東中沢で行われた「落語」の鑑賞だ。団地内には集会所がある。場所はある。あとは出演していただく芸人さんとの折衝である。これは、「NPOにぎ愛広場」の方たちが一肌脱いでくださった。このようにして、わざわざ都心の寄席へ行かなくても、いながらにして日本伝統の「落語」や「西洋?のマジック」を生で見られる催しが実現した。

      

 
             出演した ご三方 

     本名は不明なれど 本職はそれぞれ 作家 新卒定年者 現役会社員



 プログラムは仏家(ほとけや)シャベルさんの落語・お馴染みの『三方一両損』、後藤稔さんのマジック・『種も仕掛けもあるにはあるが』、そして最後はあっち亭こっちさんの『唖(おし)の釣り』。

        

       
             
仏家(ほとけや)シャベルさんの二面相   
                              
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後藤稔さんのマジック 食べた風船から出てきたものは...?
                              
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あっち亭こっち さんの二面相
                              
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 仏家(ほとけや)シャベルさんの本職は作家である。昨年には「落語うんちく事典」を河出文庫から出版した。ゆえに落語研究家でもある。『三方一両損』は誰でも知っているお話だ。このたびは仏のシャベルさんによる、鬼瓦顔をした大岡越前守によって、昔を思い出すありさまだった。芸名の由来が面白い。あるとき奥さんに、「あんた落語家でもやったら、ど〜お」。「ほっとけばしゃべる= ほとけやしゃべる=仏家(ほとけや)シャベル」と、なったらしい。
 
 後藤稔さんは先年、大手酒造メーカーを定年退職したばかりという。しかしなあ、あの年季の入った技の冴えとユーモア溢れる話術に接したら、「この人真面目に仕事していたのかしら」と思わずにはおられなかった。
 シルクハットに赤い服、銀色のネクタイで格好よく現れた。派手な衣装は浅草で値切って求めたとか。開口一番、「今日は易しいマジックを簡単にやる」などといったが、種が分からない。あとで、かぶりつきにいた人に、聞いてみよう。分からないと思うが(^o^)。
 一芸に秀でるものは百芸に通じるというから、かなり優れた社員だったのかも知れぬ。「舞台で演っているのが奇術と分かれば、あなたは、まだまだ大丈夫です」。と書かれたパンフレットの記述が少しばかり気になったよ。いずれにしても、たいした演技であった。

 3人目の「あっち亭こっち」さんは、船橋在住で出版社勤務の現役会社員である。57歳。なかなかのイケ面で、飄々と変化する表情としぐさがとても上手い。「鎌ケ谷にぎ愛寄席」には常時出演している。ご本人曰く「30年勤めているが、さっぱり存在感がないサラリーマン」とは口癖だが、これも怪しい。会社公認のボランィアマンかも知れないな。

           

    

           
 おしゃべり会の皆さんによる会場設営

    

       
 落語の台座も上手くいった 観客の皆さんも目が離せない

    

        
イケ面会社員の あっち亭こっちさん いい運動になりそう
 
    

         
芸人さんと 客席との交流会 皆さんの評判は上々 反省会もしました
                               
それぞれクリックで拡大します

 
 
当日は朝から大雨。開催時刻になっても雨はやまない。予定した方々の参加が心配されたが、団地住民以外からも多くの方々が参加して下さった。そして、皆さんと一緒になって楽しんでくれた。始めから終わりまで、終始笑い声の途絶えない嬉しさや喜びがあった。

 全ての催しが終わったあと、「NPO法人鎌ケ谷にぎ愛広場」の菅澤理事の司会で芸人さんと参加者との交流会があった。
 司会者の問いかけに対して、皆さん一様に話された言葉が印象に残る。「楽しかった。皆さんと一緒に思い切り笑えるのは嬉しい」。「普段付き合いが薄いので、こんなときに一緒に楽しめて良かった」。笑いは命の泉である。本日の話では、1回笑うと5分長生きする(@@)。笑うことは長生きとボケ防止にも繋がるとも言われる。

「団地外から来たけど、とても良かった」。等など、何方の言葉も変わらない。男性はあまり役に立たなかったが、当にぎ愛寄席を計画し、確実に実行を進められた「おしゃべり会の女性陣」には感謝の気持ちでいっぱいである。(文責 C・W)