囲碁文化史アラカルト

  囲碁文化史アラカルト(10)囲碁から発した日常語    

                                                         小川 玄吾

今回は暑気払いを兼ねて、軽いテーマを取り上げました。

     「一目置く」:(囲碁で弱い方が石を一つ置いてから始めることから)相手の力量に敬意を表し、一歩譲って接することを言う。優者にに一歩を譲る。(広辞苑)

     「岡目(傍目)八目」:他人の囲碁を側で見ていると、自分が実際に対局しているときより手が読めると言うこと。転じて、局外にあって見ていると、物事の是非、利・不利がよく分かるということ。(広辞苑)

☆「碁盤の目」:京都や札幌の町並みをいう。                    江江戸川柳に「叡山で碁盤を眺めるふていやつ」(柳樽四四)というのがある。比叡山から京都を眺める僧兵というところ。  

     「定石」:囲碁で古来からの研究で、双方ともに最善とされる決まった形のうちかた。

転じて、物事を処理するときの決まった仕方をいう。(広辞苑)  

     「布石」:囲碁で対局のはじめ、なるべく広い地域を占めるよう石を並べること。将来のための用意をすること。将来に備えてあらかじめ打たれた手配り。(広辞苑)

     「序盤」「中盤」「終盤」:新聞、雑誌の一面の見出しによく使われる.                    

例えば、「中盤に差し掛かった選挙戦」の類。

☆ 「ダメ」:囲碁で双方の堺にあって、どちらの地にもならない空所。転じて、しても効    

  のないこと。無駄、無益。してはいけないこと。不可。(広辞苑)

☆ 「ダメを押す」:(囲碁で攻め合いに勝っているのにさらに一手かけて相手の石のダメ  

  を詰める意から)分かりきったことを念のために更に確かめること。念を押す。ダメ押しをする。(広辞苑)

☆ 「結局」:(囲碁を一局打ち終える意から)終わりになること。終末。副詞的に挙句の果て。せんずるところ。(広辞苑)源氏物語が出典という説もある。

☆ 「八百長」:これが囲碁から発した日常語と信じる方は少ないでしょうね

明治初年通称八百長という八百屋が、相撲の年寄り某との碁の手合わせで、常に一勝一敗になるようにあしらっていたことに起こるそうです。馴れ合い勝負。(広辞苑)

 

        参考文献:水口藤雄 囲碁の博物誌、広辞苑など

 

前回の鎮神頭の解答:(7,十二)です。(7、十一)も正解です。