囲碁文化史アラカルト(6)中国ルールについて
小川玄吾
☆ 吾々は地で争う「日本ルール」に慣れているが、囲碁が国際的になった今日、「中国ルール」
なるものを知っておくと得策であろう。HPに中国ルールを知りたい旨の掲示もあったので、
今回はこれについて解説しよう。
☆ 中国ルールの原理
(1) 盤上に生存している石の数と地の和で勝負を決める。
(2) 碁盤の目数を半分に割り、これを双方の持ち点とし、その持ち点を超過しただけを
勝ちとする。
(3)この計算法は、日本式の半分になるから、「半数計算」ともいう。
☆実際の打ち方と計算の仕方
(1)ダメも最後まで交互に詰める。
(2)終局後、公式戦では第三者が、一方のみ(通常は黒)を計算する。
先ず、死んでいる石をそれぞれの碁笥に戻す。地を50とか80とか100とか
存在する石をとりながら10単位で地を作る。次に残った石を10単位で数えて
いく。地と石の合計から180.5を差し引く。
プラスならその分だけ黒の勝ちとなる。
☆ 現在の日本ルールは日本で生まれたものではない。中国の古い棋譜、例えば顧師言
の棋譜では日本ルールと同じ数え方をしている。つまり日本式は中国の古式である。
☆ 中国には、南方の「棋」と北方の「奕」と二つの囲碁の流れがあり、明の時代に奕の
ルールが定着した。日本への伝播は棋であった。(安永説)
☆ 関西の囲碁雑誌「囲碁梁山泊」の2005年秋号に中国ルールに関する興味深い記事
がのっている。終局時のダメつめがどちらになるかで、半目勝ちが半目負けになることが
起こるというのだ。一読をお勧めする。
参考文献:安永一 囲碁百年 (1976)
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