お元気な姿に接し感無量でした。
白銀と枯れ木色一色の世界。風が吹き渡ります。
なんとも寂しいお姿ですが、私はこれで幸せ、と言い張るのです。
陽だまりに居るときは幸せそうですが…。
時々地吹雪が襲います。それでも貴婦人は笑みを絶やしませんでした。
「雄雄しくも貴婦人は起つ地吹雪に」
通りがかりの人が鹿の悲鳴を聞きました。見ると、野犬らしき動物に尻を
噛み付かれたまま小鹿が逃げていました。大声を上げると野犬?は逃げました。
小鹿は疲労困憊、雪の中にへたり込んでしまったのです。
彼が連絡した公園レンジャーと出会った私はついてゆきました。
30分間、彼の足が速くて閉口しました。彼はスノーシュー、私はゴム長靴。
到着すると元気を回復した鹿は逃げるだけ。どうにもなりません。
軽傷ですから助かるでしょうが、また襲われたら終わりですね。
「手負い鹿われ赤ひげぞ戻れかし」
雪の上に散った血液です。自然のおきてとはいえ、むごいことです。