Part3
八大関の建物
青島のウェディング
白いアカシアの花
今日の日記。(5月25日)
アカシアの花が満開だ。甘い香りが体にしみ込こんでくるみたいだ。
今日は電気代の支払いに行こう。海水浴場の向こう側に農業銀行の支店がある。「代行収」と書いてあ
る窓口があったから請求書とお金を差し出す。コンピューターでぽんぽんと操作して領収書とお釣りを
返してくれた。簡単だ。何もしゃべらなくて済んだ。「電気代を払いたいんですけど」ぐらいは言いた
かったなー。それにしても電気代が高いなあ。313元だって。一ヶ月千元で暮らそうと思っていたのに、早くも破綻
だ。
お昼までにはまだ間があるから浜辺を歩く。家族連れやアベックが砂浜に座っている。邪魔にならないように少し離れて腰を下ろす。
海はいいなあ、いつ見ても。風がないから沖のほうが霞んでる。波もない。海がこんなに静かでいいのかなあ。
来た、来た。若いカップルが近づいて来たぞ。
「ちょっとお伺いしますが」
あんまり丁寧なことばを使うと、かえってわからないよ。
「私は中国人じゃないよ」
と言うと、なーんだという顔をして笑い出した。
「でも。どこへ行きたいの?」
「ジャンチャオ」
ん?聞いたことのある単語だなあ。何だっけ。うーん。あ、そうか。桟橋だ。忘れちゃだめだな。青島のシンボルだ。
「桟橋はこの岬の向こうだよ」
砂に地図を書いてやる。
「この岬の向こう側がこうなっていて、ここに桟橋があるんだ。バスもあるよ」
「ここが今いるところですね」
「そうだよ。あそこに魯迅公園の入り口が見えるだろ。ぶらぶら歩いていけば岬の向こう側に出られるよ」
「ありがとう」
別れ際に女の子が、
「中国語上手ですよ」
と、お世辞を言ってくれた。ありがと、ありがと、もっとうまくなるからね。もう無理か。
でも、日本人が中国人に道を教えたんだからな。すごいなー。自画自賛だ。
どっこいしょ(立ち上がる)。
お、小学生の遠足だ。子供はいいなあ。みんな王子様だ。
おっと、足元に気をつけないと。砂の彫刻が並んでる。ただの遠足じゃないんだな。大きなカニさんだ。1メートルもあるよ。亀さんもある。甲羅が丁寧に作ってあって本物みたいだ。あれはピラミッドだ。こっちは竜宮城かな?みんなうまいぞ。
子供たちはこんなに上手なのに、どうして大人たちはもの作りがへたなのかなあ。おっと、ごめん、ごめん。悪口言ってごめんね。
でも、ほんとなんだよ。
青島市 足立吉弘