戦場ヶ原の6月はワタスゲとズミの花が同時に咲きます。
とは言っても、実はワタスゲの花は5月に咲く黄色の
目立たない花です。白いのはタンポポの綿毛と同じで、
風に乗って飛ぶ種の落下傘集合体です。
ズミの白は個体差があり、ちょっとくすんだのが多いです。
しかし真に純白の木もあり、これはとてもきれいです。

白いもやの中に白い絨毯のようなワタスゲと白樺の白と、3白競演です。
「白づくし大混乱の白昼夢」

晴れた朝のカラマツを背景に。ワタスゲは半逆光で周辺が透けて見えます。
「群れ踊る白き妖精シースルー」

露置く朝はしっとりと落ち着いた気品を漂わせます。
「マシュマロのごときワタスゲわれ誘ふ」
ワタスゲが終わる直前にレンゲツツジがやっと開花しました。
皆がこの彩りを待っていました。「紅1点ツツジは頃合い見はかりて」

青空に胸を張るズミの枝。葉が少ないので白さが浮きます。
「青空よ白き心の意気を見よ」

戦場ヶ原の真ん中を流れる湯川の両岸に咲くズミです。湯川は寿命尽きた
木々の墓場の役目をも果たします。前回お見せしたように(クリック)、ズミの蕾は
赤味がかってきれいな配色です。「湯川でも湯上り顔は蕾だけ」

木道脇のズミが満開です。エゾコリンゴという別名があることを知りました。
赤い小さな実は甘酸っぱい味です。「初恋の味を思いて宙に舞い」

ズミの集落の間から男体山が顔を出します。「男前額の飾りはズミの花」