〜今年の初夢〜 制作 : ライター千遥 JALでは数年前から、 「航空機から見る初日の出」の企画をたて、年末になると搭乗者を募集していた。 おっさんは、何とか乗りたいものと毎年応募していた。 しかし当選者の通知は、なかなか届かなかったのである。 何とそれが、今年になってやっと実現した。 夢は願わねば訪れてはこない。おっさんは終夜運転の大晦日、 成田スカイライナーに乗り成田空港へと駆けつけた。 海外旅行へ出かける人々や、故郷へ帰る親子連れで空港内はごった返している。 待望のJAL機を見つけた嬉しさ 受付の可愛いお嬢さんに、搭乗証明書をおみせする。 彼女たちはリストラされないのだろうか。が、そんなことを心配する余裕はなかった...。 やや暫らくすると、東の空が明るくなってきた。 いよいよ、見えてくるぞ。心は躍る。 暗い雲間から陽が登る。待望の瞬間だ。 目玉は初日の出と富士山を巡る搭乗だ。 闇の中に冨士らしき姿が浮かぶ。他に何も見えない幽玄の世界である。 この姿をみよ。世界に誇るニッポンの美しさ。 アメリカも、この富士山を目標に日本の空爆を行った。 兵士たちも感動したことだろう。そん暇はなかったか。いや、あったに違いない。 今や、富士山は日本を訪れる中国人たちの憧れの的である。 おっさんも、撮影に余念がなかったのである。 この景観を残せずにかえれるものか。 お土産もくれたんだなあ。 これは、お弁当だったなあ。 元旦の床の中、ムニャムニャと口を動かしてたら、ハッと目が覚めた。 おかしいなあ。さっきまで、飛行機のお弁当食べていた筈なのに、狭い我が家に朝日が漏れてくる。 なーんだ、夢だったのか。まあいいか。夢でも長い間の希望が叶ったのは幸せであった。 来年こそは、抽選を当てて本物の冨士と初日の出を見てくるぞ!!! |